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岩満重孝『百魚歳時記』(中公文庫)

これも古本屋で押さえた本。

著者は画家なのか、文人なのか、ちょっと正体不明。
プロフィールにも「研究所等に通いはしたがほとんど独学で絵画を学ぶ」としかない。

週刊誌に連載したものを再編成したもので、2ページごとに魚の話題(名前、生息地、味、特長、読みこんだ俳句など)と、著者の魚の絵が乗っている。

中には俳人の勉強不足をなじる文があり、ちょっと衒学的な臭気もあるが、文章は基本的に洒脱で、リラックスして味わえる。

この本の中の魚表記はすべて漢字だ。鰆(さわら)、鰈(かれい)、鱵(さより)、鯳(すけとうだら)など。海栗(うに)、海鼠(なまこ)、蛸、烏賊、大正蝦などもある。

この著者、今でこそこんな本を出してタイトル通り「百魚」に精通しているが、小さい時には魚の生臭いにおいがダメで食べられず、鮪(まぐろ)だけは何とかなったが、鰤(ぶり)は親に「鮪だ」と騙されても脂っこくて食えなかったとある。人間は幼少期の枠を破って成長するものである。

読んでいると刺身で一杯やりたくなるし、釣りを趣味にする人は面白く読めるであろう。

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