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岩波新書「シリーズ日本近現代史」読了

祝、読了。

ずっと読みたいと思っていた懸案の書だが、全10巻あるので入ると数か月は他の本が読めないので、なかなか入れないでいた。

昨年末から読み始め、昨日やっと読了。手こずった巻もあったが、平均すると1冊約10日ほどで読んできた。

幕末から現代までの通史で、全くの初心者向けというよりはある程度の予備知識があって、その時代について認識しなおす、という人向きである。
とはいえ、戦後~現代にいたるまでの通史はあまりないので、その部分は一から勉強に近かった。

「幕末の幕府外交は高度に成熟したもの」という第1巻から始まり、今までの通念を見直し、時代認識を明確化する知見が盛り込まれている。
「誰もが国民になった」契機が日清戦争だったなど、少しぼんやりしていた明治時代の認識もクリヤーになった。

特に素晴らしかったのは第9巻で、「これが現代社会か」と思い知る心地であった。1970年代後半から何かが変わり、「自我の溶解」へ至るという社会学的考察で、今私たちが生きている時代の特徴を描き出す点でまことに明解で分かりやすかった。また少子高齢化の深刻さ(現代の山村が高齢化により機能しなくなり「限界集落」となっているように、社会自体が機能しなくなる「限界社会」を迎えるのであろうか、と)なども教えられた。

シリーズ全体の目指したものなどは各巻のあとがきや最終巻の終章にも詳しくまとめられている。

何はともあれ一つのシリーズを読破でき、得るものも多かったと感じている。

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