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2013年4月

くらしの植物苑「伝統の桜草」

これでまた佐倉へ行ってしまった。歴史民俗博物館の附属植物園でやっている展示である。

JR佐倉駅から歩いたが、その途中で色鮮やかな雉を見た。

20メートルくらいの距離から見ていても逃げる様子もなく悠然としており、雌か雛か、茶色い数羽の鳥も見えた。

田んぼには鴨も泳いでいるし、住宅も近いのに「野生の楽園」である…。

展示の方はいろいろな変種が美しく、興味深かった。
まるで雪の結晶のような変わり咲きの「星祭」や、真紅が美しい「小町紅」「こぼれ紅」「寿」。
白が映える「光る雪」や「母の愛」「十六夜」。
梅咲きの「梅が枝」や八重咲きの「小桜重」なども変わっていて面白く美しい。
かすりで桃色が入る「絞竜田」「即位の宴」なども独特のもの。
茎が凛と立っている「美女の舞」や「心意気」など、それらの中でも群を抜いて見えた。
「東鑑」はその名のように坂東武者のような美しさと粗野さがあり、いわゆる「狂い咲き」(花弁が波打っている)の「伊達男」も命名通りに見えた。

このような花つくりは、全く繊細な芸術と言って差し支えない。

帰り道には、かの雉はまだいて、しばらく見ていても小池の小山の上でじっと動かなかった。
田には鷺。

会期は5月6日まで。

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井田哲司『ウナギ』(岩波新書)

「ニホンウナギ、絶滅危惧種へ」のニュースが届いたのは、この本を読み終わって数か月後だった。さもありなんとおもわれた。

小さなころはなかなか食べられれなかったウナギが、近年ではスーパーで比較的安価に売っているので、これは何かの進歩かと漠然と思っていたのだが、とんでもない。単にウナギの稚魚を日本だけでなく台湾・中国で大量に集めて養殖していたのである…。

本書は前半がウナギの神秘極まる生態とその解明の物語。後半がウナギをめぐる社会とのかかわりという構成で、科学の本としても、社会問題の本としても興味深く読める好著だ。

なにしろ稚魚を養殖しようとしても、養殖ウナギはほとんど雄になってしまっていて産卵できない!自然界でないと性的に成熟しないのだ。そこから始まり、本来太平洋の深海で生まれる孵化したばかりの稚魚のえさをめぐる悪戦苦闘など…。採算が取れる完全養殖ウナギへの道はまことにけわしく、生産のめどは立っていない。

ひるがえって川をさかのぼろうとするシラスウナギ(これを捕えて養殖する)を巡る争い…。密輸あり、捕獲地での銃撃戦あり、利権をめぐっての人間社会の構造がもろに出ている。

また、天然ウナギを保護する環境の問題。いかに生育力が強いウナギといえど、コンクリートで固められたダムを這い登るのは容易ではない。また、逆に海へ戻るウナギの行く手に水力発電所があれば、水路の中を滑り降りタービンで粉砕されてしまう。これもまた容易ならぬ問題だ。
これでは絶滅危惧種になるわけである。

絶滅危惧種の報道の時、「別に食べられなくても良い」といった声があったことは、人間の身勝手とその無自覚の凝縮ではないだろうか。ウナギは人間に食べられるために生きているのではない。別の意味の危機感を持たねばならないのだが…。

本書では「水産」ということへの目を開かされた。普段何気なく食べている水産物も、沖縄水産高校の校歌の歌詞に反して決して「無尽蔵」ではない。
賢く取り、育て、そして利用する知恵が必要という自覚は、少なくとも食べる人~市民~は持っていなければいけない。

自然科学の本としても、環境(社会)問題の書としても、この書はお勧めである。

また、ウナギを巡る状況が好転することを願う。

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おぼろ月

昨日は満月に近い月で、それが雲を通して見え、このブログの背景のような春のおぼろ月になっていた。

今日は風雨の模様。

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岩満重孝『百魚歳時記』(中公文庫)

これも古本屋で押さえた本。

著者は画家なのか、文人なのか、ちょっと正体不明。
プロフィールにも「研究所等に通いはしたがほとんど独学で絵画を学ぶ」としかない。

週刊誌に連載したものを再編成したもので、2ページごとに魚の話題(名前、生息地、味、特長、読みこんだ俳句など)と、著者の魚の絵が乗っている。

中には俳人の勉強不足をなじる文があり、ちょっと衒学的な臭気もあるが、文章は基本的に洒脱で、リラックスして味わえる。

この本の中の魚表記はすべて漢字だ。鰆(さわら)、鰈(かれい)、鱵(さより)、鯳(すけとうだら)など。海栗(うに)、海鼠(なまこ)、蛸、烏賊、大正蝦などもある。

この著者、今でこそこんな本を出してタイトル通り「百魚」に精通しているが、小さい時には魚の生臭いにおいがダメで食べられず、鮪(まぐろ)だけは何とかなったが、鰤(ぶり)は親に「鮪だ」と騙されても脂っこくて食えなかったとある。人間は幼少期の枠を破って成長するものである。

読んでいると刺身で一杯やりたくなるし、釣りを趣味にする人は面白く読めるであろう。

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穀雨

今日は二十四節気の穀雨。

牡丹の花などが開き、まさに春たけなわ、という(『唐詩歳時記』)。

「農作物を潤す恵みの雨」ということだが、予報では暦通り夜から雨である。

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岩波新書「シリーズ日本近現代史」読了

祝、読了。

ずっと読みたいと思っていた懸案の書だが、全10巻あるので入ると数か月は他の本が読めないので、なかなか入れないでいた。

昨年末から読み始め、昨日やっと読了。手こずった巻もあったが、平均すると1冊約10日ほどで読んできた。

幕末から現代までの通史で、全くの初心者向けというよりはある程度の予備知識があって、その時代について認識しなおす、という人向きである。
とはいえ、戦後~現代にいたるまでの通史はあまりないので、その部分は一から勉強に近かった。

「幕末の幕府外交は高度に成熟したもの」という第1巻から始まり、今までの通念を見直し、時代認識を明確化する知見が盛り込まれている。
「誰もが国民になった」契機が日清戦争だったなど、少しぼんやりしていた明治時代の認識もクリヤーになった。

特に素晴らしかったのは第9巻で、「これが現代社会か」と思い知る心地であった。1970年代後半から何かが変わり、「自我の溶解」へ至るという社会学的考察で、今私たちが生きている時代の特徴を描き出す点でまことに明解で分かりやすかった。また少子高齢化の深刻さ(現代の山村が高齢化により機能しなくなり「限界集落」となっているように、社会自体が機能しなくなる「限界社会」を迎えるのであろうか、と)なども教えられた。

シリーズ全体の目指したものなどは各巻のあとがきや最終巻の終章にも詳しくまとめられている。

何はともあれ一つのシリーズを読破でき、得るものも多かったと感じている。

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山下康博『指揮官の決断』(中経文庫)

映画「八甲田山」で高倉健が演じた「徳島大尉」のモデルになったのが、この書の主人公・福島泰蔵大尉である。

私はこの書を書店で最初に見たとき、いかにもビジネス書にありがちな「八甲田山の失敗から学ぶ」というような軽薄な書かと思った。
しかし違った。この書の著者は青森在住で、部屋に福島大尉の写真を飾って日夜励ましをもらっているという方なのである。

新田次郎の小説や映画で良く知られる悲劇だが、それには伏線があった。
その少し前、青森第5連隊の神成大尉(映画では神田大尉)が小峠まで下見に行ったのだが、その日は非常に好天で、その予備知識がつい油断を生むことになったのかもしれない。
また、本質的にはあわただしい日程が準備不足・研究不足を生んだという一面もあった。

その点、弘前第31連隊の福島大尉は十分に研究・準備して臨んだのは小説等に詳しい。

結果、たまたまその日程は日本歴代最低低温を記録するほどの大悪天となり、目的地への道を失った青森第5連隊の雪中行軍隊は雪の中を彷徨し、200名以上を失うという大遭難になった。
反対方向から八甲田に入った福島大尉率いる弘前第31連隊の雪中行軍隊も、犠牲者は出さなかったもの八甲田山の突破は決して簡単ではなく、予定の日程より遅れ山中で眠らずに過ごし、その後何とか下山している。

自主独立の精神の持ち主の福島大尉は、理由はわからないが、上司の友安少将(第4旅団長:この遭難事件後に左遷)にも不満があったらしい。その辺りの事情も描かれている。

著者の、福島大尉への尊敬の心が伝わってくる好著である。

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上弦

今日は上弦の月。

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土用

今日は春の土用の入り。暦の上では春もそろそろ終わり。

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中野理枝・広瀬裕一『海に暮らす無脊椎動物のふしぎ』(サイエンスアイ新書218)

とにかく面白い。

動物の分類で、節足動物、軟体動物、棘皮動物、刺胞動物くらいは知っていても、外肛動物、内肛動物、平板動物、環形動物、箒虫動物、扁形動物、無腸動物となるとどうであろうか?本書はそんな珍奇な?海の動物たちが目白押しである。

そういう海の無脊椎動物のさまざまな生態や生活が、美しい写真とともに解説されている。それに伴う面白い話はとてもここでは書ききれないくらい。

以前は一顧だにされなかったウミウシが昨今はブームだそうだ。固定観念を捨て、その美しさや種類の多彩さが見直されているということなのだろう。著者もそれに取りつかれ、40代になってから生物学の大学院まで行ってしまったという人である。

巻末には環境の保護や観察の方法の話もあり、これから海へ行く人のためのガイドにもなっている。

生物の進化の多様性と、海には私たちの知らない(人類がいまだ知らない、という意味も含めて)実に多様な生き物の世界が広がっていることを見せてくれる科学読み物だ。

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桜が終わったが、もう街角では藤が咲き始めている。

藤はGW中にあちこちで見られて、初夏を代表する花のように思われて印象深い。

今日は風も春風という感じで快く、良い春の一日だった。

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ひな祭り

今日は旧三月三日で、ひな祭り。

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春雨

  清明     杜牧

清明時節雨紛紛
路上行人欲断魂
借問酒家何處有
牧童遙指杏花村

清明 時節 雨紛紛
路上の行人 魂を断たんと欲す
借問す 酒家は何れの處にか有る
牧童 遥かに指さす 杏花の村

清明の時節に雨が煙るように降りしきっている
道行く旅人はその情景に気が滅入ってしまう
「お尋ねしますが酒屋はどこにありますか」と聞けば
牛飼いの子がはるかに杏の花が咲いている村を指さした

※「清明」の詩として有名だが、別に「春雨」とでも題したい。

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旧三月

今日は新月で、やっと旧暦で三月一日になる。

春爛漫の季節。花が終わった梅や桜の若葉が美しい。

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桜吹雪

4月1日は爽やかに晴れ、青空を背景に風に桜吹雪が舞う一日となったが、夜になると雨模様になり、以後雨が続いている。

朝の通勤時に読んでいた『孫子』が3月末で読了し、非常な偶然だがちょうど4月1日から新たに『古事記』を投入した。

朝古典をまず読むことは、野球の練習に例えればキャッチボールから始めるようなもので、気分も精神になるし勉強にもなる。

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