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論語

『中国名詩選』のあとの『杜牧詩選』が、植木さんの語句解説が詳しく良すぎてかえって短い通勤時間に向かず、代わって前から再通読したかった『論語』を読んでいる。

人間を押さえつけるような古い儒教道徳や儒教的な社会習慣が一掃された今、『論語』は人生や道徳の指南書、いや参考書として、多くの人が親しんでよい(親しんでほしい)書だと思う。

昨日も為政篇の「子張學干禄」(子張、禄を学ぶ:子張が仕官する道をおたずねした)のところを読み、孔子の挙げた答えは、就職活動に悩む若い人に指針になるのではと思われた。

(岩波文庫本 金谷治訳)

「子張が禄(俸給)を取ることを学ぼうとした。先生は言われた。『たくさん聞いて疑わしいことはやめ、それ以外のことを慎重に口にしていけば、過ちは少なくなる。たくさん見てあやふやなところはやめ、それ以外のことを慎重に実行していけば、後悔は少なくなる。言葉に過ちが少なく、実行に後悔が少なければ、禄は自然に得られるものだ〔禄を得るための特別の勉強というものはない〕』」

(孔子の台詞は現代語訳だと少しわかりにくいが、書き下しだとこうである。

「多く聞きて疑わしきを闕(か)き、慎みて其の余りを言えば、すなわち冘(とがめ)寡(すく)なし
多く見て殆(あやう)きを闕き、慎みてその余りを行えば、すなわち悔い寡なし
言に冘寡なく 行に悔い寡なければ 禄は其の中にあり」)

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書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

以前から私にはその節は「後出しジャンケンをしなさい」というメッセージに聞こえて仕方ありません。
今では、声は大きいもののグー・チョキ・パーのどれを出しているかわからない人が多いので、それよりはマシかもしれませんが。

また、孔子の時代の中国が何主義だったかはわかりませんが、個々人に所有権を認める資本主義が行き渡った世界では論語を含む儒教的な感覚はなじみにくいのではないかと思います。

親・年長者を敬え・・・
今の時代、一個人は年齢その他を問わず対等なわけですから、これひとつとっても周知はできても徹底はできません。

一般殺人と尊属殺人の差も「憲法」に照らしたらなくすのが正義の時代ですから、いいとこどりの勝手な解釈本が跋扈するばかりで、当時の孔子の精神そのものを継ぐ考え方は論理的にできても実践はムリでしょう。

そういった意味で、親しんでよい(親しんでほしい)とおっしゃるロイヤルトランペットさんの心境にとてもシンパシーを感じます。

投稿: クラウディオ・アラウ | 2012年6月14日 (木) 15時32分

コメントありがとうございます。
なかなか返信できなくてすみません。

「後出し」というよりは、「よく周りを見て慎重に情報を集めれば、失言をすることや間違った行動をすることが少なくなる。それが禄を取る第一の要諦だ」ということなのでしょう。孔子の時代は失敗すると命も危ない時代でした。

論語の漢文は簡単な文も多いですし(漢代までの時を経て意味不明になっている節もありますが)、できれば小学校、あるいは中学校で必修(=国民の共通知識)に近いものしたほうが良いという気がします。

投稿: ロイヤルトランペット | 2012年7月 4日 (水) 06時57分

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