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山本三郎『登山者のための気象学』(山と渓谷社)

これもいつしか古本屋で買った本。カバーからみると荻窪駅前のようである。

図番が豊富で(しかも最近の本のように図がけばけばしくなく)、気象の基本が良くわかる本だというのが購入した時の手応えだった。

その期待には十分応えてくれ、かてて加えて「応用編」では各季節ごとの天気図の型や変化からの具体的な天候の変化を詳しく説明している(しかしこの書が書かれた昭和35~40年頃って登山者の遭難・死者が多かったんだな…)。

著者は天気図を書き気象情報を聞き、さらにその上で絶えず観天望気をすることを説いている。風や雲に常に注意を払うようにと。この本の最初の節も「大空をぐるっと見渡そう」だった。

巻末の追悼文に詳しいが、著者・山本三郎氏は実に研究熱心な人で、河口湖測候所勤務の時も当時は雨天のたびごとにオートバイで雨量計を計測しに行かなければならず、所員も三人しかいないため体調不良になっても休んで検査を受けることができず、ついに昭和45年9月6日に42歳で亡くなった。「こんな男はもう二度と出ないだろう」というのが葬儀の時の同僚の一致した見解だったという。

現在であればアメダス等で無人観測できることを考えると、複雑な気持ちに駆られる。
命をかけた観測データだった…。この書を読み終わったのも去年の9月6日で、著者の命日であったことも偶然の付合かと思わせる。

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