« 啓蟄 | トップページ | 肩越しに金星12 »

『中国名詩選』(岩波文庫)読了

一昨日、通勤往路の車中でめでたく読了した。

高校時代から『唐詩選』を夜寝る前に一首ずつ読み始めて、大学の中途で終了し、その後釜で起用したのが同じ岩波文庫のこの『中国名詩選』で、今持っている下巻が平成元年9月の版だから、この巻に関しては23年半かけて読了したことになる。

読み始めてから下巻の白居易まで行ったが、その後長いこと中断し、初めの詩経から読み直すことにして再開した。途中後漢代の無名氏の長い詩は飛ばしたものの、初唐まで再読した。

しかし、いかんせん寝る前に読むという手法では進み方も不定期だし、理解力も落ちるということで、朝の通勤のスターターとして起用することにした。それが去年の初めで、ちょうど震災のあと杜甫の「春望」を読んでいたことはここでもご紹介した。

そのあと、白居易を通り過ぎてからは未知の領域で、特に宋詩に入ってみるとその清新さには目を見張った。宋というと「詩大夫」「理屈っぽい」という先入感があっただけに、実際に触れてみると、「唐詩は酒。宋詩は茶」という解説の文言もうなずかされた。

さらに遼・金・元・明・清と進み、付録の毛沢東の詩を最後に読了した。雄大な冬の大地に、そこに輩出した幾多の英雄を懐古し、自分の気概を重ねる勇壮な詩は、全編のしめくくりにふさわしかった。

この本は前の『唐詩選』と比べ、語釈が貧弱なのが不満で、特にわかりきっている語句を注釈し、ポイントとなる言葉について別注しないときなどは腹を立てたりもしたものである。

しかし、『詩経』『楚辞』から曹操、曹植、魏晋南北朝をへて唐、宋、そして上記のように現代まで連なる詩選から多くのものを教えてもらった。

また、毎朝取り組んでいると読解力もつき、もちろん全部は無理だが白文でも6割くらいは意味が取れるようになってきた。これは毎日の「朝トレ」でもある。

昨日からは、後継として懸案の『杜牧詩選』を投入。植木久行さんの編集で、手堅い注釈が手ごたえがある。

|

« 啓蟄 | トップページ | 肩越しに金星12 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 啓蟄 | トップページ | 肩越しに金星12 »