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『宝石の歴史』(知の再発見叢書187)

昨日読了。

タイトルは「宝石の歴史」でも、扱っているのがダイヤモンド、ルビー、エメラルド、サファイアの四大貴石だけなのが不満ではある(日本縄文時代のヒスイは?中国の玉は?真珠は?)。宝石の「歴史」より、「宝石」の歴史に比重を置いている構成だ。

しかし、ヨーロッパに上記の四大貴石は産出せず、その生産場所や状況は長らく謎とされ、いろいろな伝説や尾ひれがついていたそれが近代になって次第にインド・ペルシャ方面の情勢が明らかになったこと、そして、今までは世界中でインドでしか生産されなかったダイヤモンドについては、19世紀(ちょうど明治維新の直前頃だ)に南アフリカでダイヤモンド鉱山が発見され、大騒ぎになったこと。その中から、セシル・ローズ、オッペンハイマーなどの大商人が出て流通・検査機構を確立したこと、などが豊富な図版とともに興味深く語られる。

現代でも南米コロンビアやタイで、正規の掘削地域の川下などに、不法採掘者(と言っても河原で拾うだけのようだが)が蝟集しているらしい。ただ石を拾えば金になるという魅力が特に生活の貧しい人々をひきつけるのだろう。

このシリーズの魅力は上にも書いたが豊富な図版で、特にこの本の場合宝石の美しさを堪能するだけでもたのしい。

ダイヤモンドは職人がカットすることにより原石の重さが60%以上目減りするらしい。その削ったくずはどこに捨てるのだろう?

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