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吉川幸次郎注『詩経国風』(中國詩人選集1・2)

『詩経』は味わいたい上に、中国史はもちろん日本の文化を理解する上でも必読の文献なのだが、なかなか良い訳本がなく、何を読めばよいか困っていた。

岩波文庫では出ていないし、抄訳で中には解釈が怪しい(と感じる)訳本もあるし、海音寺潮五郎氏の口語訳も今ひとつと思い、また漢詩大系のくわしい本は大部で持ち運びに不便である。

その中で中国詩人選集のこの本は、国風だけで大雅、小雅がないのが難点だけれども、コンパクトな装丁でかつ語句の説明が詳しく、それを読みながら進めるとすんなり頭に入る心地がして大変よい。
古注、朱子、清儒の解釈などを公平に満遍なく上げたうえで解釈しているのも、偏りがなく初学者にはうれしい。

吉川氏のときに軽妙な訳も楽しい。表題だけで例をあげれば、
・ 簡兮           きらくじゃ
・ 叔于田        さぶろうのまきがり
・ 大叔于田   もひとつさぶろうのまきがり
・ 〔馬芻〕虞   なさけあるけもの
といった具合。

毎朝一遍ずつ読むのが楽しみで、かつ文献を読む力もついてきたような気がする。

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