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カリ・ステンマン&カレヴィ・ケスキネン『第二次大戦のフィンランド空軍エース』

前回の『北欧空戦史』の「追撃編」。

この「世界の戦闘機エース」という軍事おたくが読むのような大判のシリーズは、以前はどこにでも売っていて私も日本の陸海軍のものを持っているが、いまは僅少らしく、本屋に取り置きしてもらった。

著者の二人は、中山雅洋氏が『北欧空戦史』を書いたときに参考にし、座談会にもいっしょに参加したフィンランド空軍史の大家で、記録が残っていることもあるがじつに綿密に空軍の記録を調査し、誰が何機墜としたかだけでなく、何の何号機で何機墜としたかまで詳述している。

ということで、記録が詳しく写真も豊富なのは良いのだが、地図が一つもないのは致命的というか信じられない。フィンランド人の著者がフィンランドの地名をどんどん書いているわけだから、日本でいえば「三沢」とか「矢田部」といった地名がどんどん出てくるわけで、たとえ原版に地図がなかったとしても日本語版を出すときに最低二枚の地図(戦線の全体図と詳しい地図)をつけなきゃ…。現代の世界地図と先の『北欧空戦史』の巻頭地図で確認しながら読み進めたが、わからない地名も多く、いったいどこで戦っているのかさっぱりわからない…。

しかし、写真・図版の充実はやはりこのシリーズの長所で、機体だけでなく勲章(マンネルヘイム十字章や空軍の徽章)まで解説入りでよくわかる。バッファローの編隊飛行の写真は、普段なら「ずん胴でかっこ悪い飛行機」と思うだろうが、フィンランド空軍のマークがついていると何か格好よく見えるのだから笑えてくる。

巻末の撃墜王列伝でユーティライネンはじめ上位のトップエースが11人紹介されているが、戦死した人が数えるほどしかいないのも目を引く。旧日本海軍であれば負傷して後送された坂井三郎氏や岩本徹三氏を除き、トップエースのほとんどが戦死している…。

フィンランドの空の戦いをビジュアルに活写した一冊。

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