杏の花
杏の花というのは私(というか日本人)にはあまり馴染みがないように思う。つぼみの時は純紅で、開花すると淡紅を帯びた白色となり、遠くから見ると白い花に見える、とか。
遊趙村杏花 白居易(唐)
趙村紅杏毎年開
十五年来看幾廻
七十三人難再到
今春来是別花来
趙村の杏花に遊ぶ
趙村の紅杏 毎年開く
十五年来 看ること幾廻ぞ
七十三の人 再びは到り難し
今春来たるは是れ花に別れんとして来たる
開封郊外の趙村の紅い杏の花は毎年開いている
ここ十五年来、私は春に趙村に来てこの杏の花を看ることは何回になっただろう
でも、私は今年七十三になった。もう来年は来れないかもしれない。
今年のこの春にここに来たのは、花に別れを告げようとして来たのだ
花を15年来愛し続けていた白居易の慨嘆が胸を衝き、読んでいて泣きそうになる。
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