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今日の漢詩

毎朝、『漢詩歳時記』(同朋舎)か『唐詩歳時記』(講談社学術文庫1190)に目を通している。その中で目を引いた詩を引用してみる。

   秋夜月   劉基(明)
秋夜月  黄金波
照人哭  照人歌
人歌人哭月長好
月缺月圓人自老

   秋夜の月
秋夜の月 黄金の波
人の哭するを照らし、人の歌うのを照らす
人歌い、人哭して月長(とこしえ)に好し
月欠け月円(まど)かに人自ずから老ゆ

まず詩型が面白い。俗にいう三三七拍子、かつ同じ語句を使っているため、このまま素に音読するだけでもリズミカルである。解説の石川忠久氏は七言古詩と書いているが、こんな詩型の古詩があるのだろうか?

秋の夜の月の光は、黄金の波になって地上に注ぐ。泣く人を照らし、歌う人を照らす(石川忠久氏訳)。しかし、その地上の人が、泣いたり、歌ったりしている間も月は永遠に輝いている。そして、月が欠けたり満ちて歳月が流れる間に、人間は老いていく…。
人が歌い、人が泣く間にも永遠を保つ月。
月が欠け、月が満ちる間にも老いてゆき、やがて死に到って消滅する人間。
その対比が明るい秋の満月の光の下に歌われていて、まことに詩句は平易ながらその内容は胸を打つものがある。
作者の劉基は、いわずと知れた明の建国者朱元璋の片腕。実務にも才を発揮した文人だからこそ味わえる人の世の栄枯と悲哀といえようか。

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