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モクレン

通勤途上の幼稚園の敷地内にある白木蓮の木は白い花びらをいよいよ出して輝こうとしている。
私は宮沢賢治の「マグノリアの木」を思い出し、そばを通るときに「セント、マグノリア」とつぶやいてみる。

「サンタ、マグノリア。枝にいっぱいひかるはなんぞ。」
向こう側の子が答えました。
「天に飛び立つ銀の鳩。」
こちらの子がまたうたいました。
「セント、マグノリア。枝にいっぱいひかるはなんぞ。」
「天から降りた天の鳩。」

「ごらんなさい。あのけわしい山谷にいまいちめんにマグノリアが咲いています。」
「ええ、ありがとう。ですからマグノリアの木は寂静です。あの花びらは天の山羊の乳よりしめやかです。あのかおりは覚者たちの尊い偈を人に送ります。」

けわしい山谷を越えてきた主人公の前にいま咲き誇るマグノリアの木。私の青春時代以来何回も読み返した作品だ。

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