田中優『戦争って、環境問題と関係ないと思ってた』
岩波ブックレットの一冊。
読んでみて現在、イラクで行われている惨状についていかに無知なのか痛感した。おびやかされる生活。「白燐弾」「電磁波爆弾」「劣化ウラン弾」などの最新兵器の恐怖。戦争を生む石油利権構造。兵器開発実験による地球そのものの破壊…。
そして著者は環境問題と不戦問題は不可分だと告げる。それは次の言葉を引用すれば十分だろう。
「ぼくらがコンビニでレジ袋を断っている頃、どこかの戦闘で、町そのものが破壊されている。
ぼくらが省エネのために電気を消している頃、どこかの実験で地球そのものが破壊されている
ぼくらがリサイクルのために分別をしている頃、戦闘機は莫大な石油を消費し、二酸化炭素を排出している。」
そして第6章で述べられる市民レベルでの取り組み、著者の高い見識と実行力を示している。
65ページの薄い本だが、大変に有益であった。
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