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高橋多佳子さんのこと

私がピアニスト・高橋多佳子さんを知ったのは1997年のことであった。曲目に英雄ポロネーズがあるというのがコンサートに行った理由であった。そのときはまだ普通の女流(美人)ピアニストであった。
その次は1999年の紀尾井ホールのコンサートで、時間に間に合わず遅れていったのだが、アンコールの「別れ」のエチュードを聴いて涙がにじんだ。
そのとき買ったCD「虹のリズム」(それしか売れ残っていなかった)を聴くうち、単純なメロディーを実に心に残るような演奏をするので、実はこの人はとてつもなくうまいんじゃないかしらんと思っていたところへ、2000年6月の東京芸術劇場のコンサートに行った。
「ショパンを巡る作曲家~バッハからブルグミューラーまで」というテーマで、レコーディングが始まった「ショパンの旅路」の実質第一回目のコンサートであった。目的はプログラムに「別れ」のエチュードがあることで、あの紀尾井の感動をもう一度と思ったわけである。
職場から開演ぎりぎりにたどりつくと、まず敬虔なバッハ、そして名月の澄むようなモーツアルトを聞いて「何だこれは」と思い、さらに「ラ・チ・ダレームのテーマによる変奏曲」の迫力、ショパンのエチュードの第1番(Op.10-1)のすばらしい技巧を聴いて口をあんぐりあける境地だった。もちろん「別れ」のエチュードも期待通り。
終了後、会場のアンケートの感想欄に「諸君、帽子を取りたまえ。ここに天才がいる!」と書きなぐった。
その後の感動の余韻も覚めやらなかったので、コンサートとCDの感想を手紙に書いた。
翌年のコンサートのサイン会で手紙のことを言うと、覚えていてもらっていたのでまた感動してすぐにまた手紙を書いた。
2000年・2001年は特にフィーバー状態で、2000年の夏などは「セミの鳴かない日はあっても高橋多佳子を聴かない日はない」と思ったものである。最近年のせいか私の感動力も落ちてきたが、一時期はコンサートのたび目がうるうるになり、50%以上という驚異的な涙率を誇った。
ピアノだけでなく性格も魅力的な人で、トークの面白さはコンサートの魅力のひとつである(最初聴いたときにさすが学校の先生は違うなあと思ったし、声優のバイトをしているという噂があるらしい)。
ぜひコンサートで、またCDで高橋さんの演奏を聴いてみて下さい。

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音楽」カテゴリの記事

コメント

ロイヤルトランペットさんがシューマンになったのと同じ理由で、
高橋多佳子さんのCDでバラード第4番を聴いた私はクラウディオ・アラウになりました。

リンクありがとうございました。(^^;)

投稿: クラウディオ アラウ | 2007年8月22日 (水) 23時36分

コメントありがとうございます。
いえ、シューマンは余り好きではありません。

投稿: ロイヤルトランペット | 2007年8月23日 (木) 04時55分

いえいえ、コメントがシューマンのそれって意味ですよ。(^^;)

私のアイドル・ピアニストも実はアラウではありません。(^^;)

投稿: クラウディオ アラウ | 2007年8月23日 (木) 06時59分

コメント、その通りです。
「ショパンを巡る作曲家」ということで、シューマンのこのセリフも出ていたので(ただし訳文は私が書いた~知っていた~のと違いました)、それを思わず引用しました。

投稿: ロイヤルトランペット | 2007年8月23日 (木) 22時02分

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