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2007年8月

井上喜久子さんのこと

声優のこの人を知ったのは「ああっ女神さまっ」のベルダンディーで、そのキャラソン「女神の気持ち」がなかなか良かったので、ちょうど久川綾さんのCDを全部聴ききってしまったときでもあり、その後継として井上さんの歌うCDを探してきて投入した。「みずうみ」は不発弾だったが、ベストアルバム「僕らのベストだお姉ちゃん」が面白く、去年の前半の音楽シーンを席捲する勢いであった。
そのアルバムの中で作詞作曲をしている曲が半数くらいあるけれども、それが独特の味を醸し出している。じゃんけんでチョキしか出さないことを決めた歌とか、喫茶店でプリンかケーキか迷う歌とか、深夜放送のパーソナリティーの歌とか、家の近くの郵便ポストに命名する歌とか、犬のぬいぐるみ「ウェンデにゃん」にちなむ歌三題とか。またラブソングである「あなたのためにできること」とか「後ろ向きのスキップ」などもメロディーが心に入る。どれも愛すべき曲でよく聴いている。
中古CD屋で安価で買ったのだが、これは当たった。
どんなものかとクリスマスイベントにも行ってみてご尊顔を仰いできたが、客席からのお題三つで即席に作る「シャボン玉ソング」は圧巻で、さすが「天才」であると思った。楽しいステージであった。
井上さん作詞作曲の曲をアレンジした「井上喜久子クラシック」も、心落ち着く音楽で読書を阻害しない。ちょうど中公文庫の「日本の古代」シリーズを読むときのBGMとして使っていて、まさに「古代の風」という感じだった。
正統派のミュージシャンじゃないかもしれないが、彼女の曲はもっと多くの人に聴かれてもいいと思う。それだけの価値があるし、多くの人を幸せにする曲であると思う。

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鈴木五郎『不滅の戦闘機 疾風』

19日に読了。本書は第二次大戦中の四式戦闘機・疾風(はやて)の本というより、むしろ2/3近くの紙数を割いて、中島飛行機の陸軍戦闘機の開発小史を描いている。それが魅力である。
海軍の若手機関将校だった頃から、飛行に興味をもち、重用されるもついに海軍を辞め飛行機会社を設立、国産戦闘機への情熱をかけた中島知久平と彼のもとに集うた設計陣の努力がなければ、日本の航空があそこまで~太平洋戦争で列強と互角に戦えるまで~発達することはなかったかもしれない。
91式戦闘機、試作機キ11、97戦、隼、鐘馗、そして疾風…。世界水準に追いついていった飛行機たちの列伝である。
そして紫電改のような集中使用があれば、疾風ももっと戦果を上げられたかも、と。
戦後も含めた中島飛行機の小史、そして太平洋戦争中の日本の最優秀戦闘機への挽歌である。

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処暑

今日は処暑だ。
これどういう節気か良くわからない。
晩夏である。

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高橋多佳子さんのこと

私がピアニスト・高橋多佳子さんを知ったのは1997年のことであった。曲目に英雄ポロネーズがあるというのがコンサートに行った理由であった。そのときはまだ普通の女流(美人)ピアニストであった。
その次は1999年の紀尾井ホールのコンサートで、時間に間に合わず遅れていったのだが、アンコールの「別れ」のエチュードを聴いて涙がにじんだ。
そのとき買ったCD「虹のリズム」(それしか売れ残っていなかった)を聴くうち、単純なメロディーを実に心に残るような演奏をするので、実はこの人はとてつもなくうまいんじゃないかしらんと思っていたところへ、2000年6月の東京芸術劇場のコンサートに行った。
「ショパンを巡る作曲家~バッハからブルグミューラーまで」というテーマで、レコーディングが始まった「ショパンの旅路」の実質第一回目のコンサートであった。目的はプログラムに「別れ」のエチュードがあることで、あの紀尾井の感動をもう一度と思ったわけである。
職場から開演ぎりぎりにたどりつくと、まず敬虔なバッハ、そして名月の澄むようなモーツアルトを聞いて「何だこれは」と思い、さらに「ラ・チ・ダレームのテーマによる変奏曲」の迫力、ショパンのエチュードの第1番(Op.10-1)のすばらしい技巧を聴いて口をあんぐりあける境地だった。もちろん「別れ」のエチュードも期待通り。
終了後、会場のアンケートの感想欄に「諸君、帽子を取りたまえ。ここに天才がいる!」と書きなぐった。
その後の感動の余韻も覚めやらなかったので、コンサートとCDの感想を手紙に書いた。
翌年のコンサートのサイン会で手紙のことを言うと、覚えていてもらっていたのでまた感動してすぐにまた手紙を書いた。
2000年・2001年は特にフィーバー状態で、2000年の夏などは「セミの鳴かない日はあっても高橋多佳子を聴かない日はない」と思ったものである。最近年のせいか私の感動力も落ちてきたが、一時期はコンサートのたび目がうるうるになり、50%以上という驚異的な涙率を誇った。
ピアノだけでなく性格も魅力的な人で、トークの面白さはコンサートの魅力のひとつである(最初聴いたときにさすが学校の先生は違うなあと思ったし、声優のバイトをしているという噂があるらしい)。
ぜひコンサートで、またCDで高橋さんの演奏を聴いてみて下さい。

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去年の今日

三年連用日記をつけている。それで一年前、二年前に何をしていたかが手にとるようにわかる。昨年の今日は何とあの駒大苫小牧vs早稲田実業の大一番の日であった。
その日途中までTVで試合を見て、大田区のモーツアルトの企画コンサートへ行った。樋口智恵子さん扮する少年モーツアルトを楽しく見た。
帰ってきて録画していたビデオを見たが、14回まで行ったところでテープが切れてしまった。残念。あの試合は最初から最後まで見たかった。
一年は早いもの。

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高橋多佳子&宮谷理香デュオ・コンサート

今日は八王子まで表題のコンサートに行ってきた。
ピアニスト・高橋多佳子さんについては別項を立てて多くを語らなければならないが、我が陣営の右のエースで、登板すれば完投・完封は当たり前とだけ今は言っておこう。
曲目はモーツアルトの2台のピアノのためのソナタk448と、宮谷さん、高橋さんソロによるショパンのマズルカ、エチュード、ノクターン、即興曲、連弾でブラームスのハンガリー協奏曲二曲、後半がアレンスキーとラフマニノフのいずれも二台のピアノによる組曲であった。
モーツアルトのソナタk448を生で聴けたのも良かったが、一番印象に残ったのはアレンスキーの組曲で、冒頭のロマンスは「ロシアの冬」(高橋さん談)というより「若葉・林の風」という印象をもち、最後のポロネーズも「陽光のポロネーズ」という感じで爽やかだった。
中間のワルツも諧謔的で面白い。
アンコールの「花のワルツ」も2台ピアノの華麗さとエレガントさ、迫力が加わって感動を呼んだ。
昨年の第一回のこのデュオ(「デュオ・グレース」)のコンサートには行けなかったが、また聴きに行きたいと思う。
楽しい時間を過ごした夏の午後だった。

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織女と蟋蟀

今日、遅く帰ると、夏の中天に織女が高く冴え、足元ではコオロギが鳴いていた。初鳴である。

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ツクツク初鳴

「夏の峠」と「立秋」で書いたが、相変わらずの酷暑である。
今日家でツクツクボウシの初鳴を聞く。

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立秋

今日は立秋。北海道から関東へ出てきたときに夏の酷暑に辟易したものだが、それでも、この節気を過ぎると風が変わるのを感じた。気温は相変わらず高いが、風が心なしか涼しくなるのだ。この現象を私は「夏の峠」と呼んでいた。
昨今梅雨明けが遅れ、7月に夏満喫といかず、これで立秋を迎えて夏も峠になってしまうのかという感じである。

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両雄

NHK大河ドラマ「風林火山」、信玄と謙信の本格的対決が近づきつつある。この信玄は今までのいい人過ぎる信玄や、やたら性悪な信玄と違い、悪と純粋さを兼ね備えていて好もしい。
景虎こと謙信も純粋と狂気とをたたえていて存在感がある。
会田雄次氏が「信玄と謙信はヴァレンシュタインとグスタフ・アドルフの対決を思わせる」と書いていたけど、その通りだ。そう思うとまたなお一層興が乗る。

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ドーデー

恋人ができたら真っ先に読ませたいのはドーデーである…、と書くとロマンチックに過ぎようが、桜田佐氏の名訳で岩波文庫の『風車小屋だより』や『月曜物語』を読んだ私にとっては本音であった。今流行の「大人のドリル」ではないが、その美しい文章を原稿用紙に写していたときもある。
南フランスの郷土色と、自然を愛する心、底に流れる人間味、そしてユーモア、文芸を愛する心というところが魅力の源泉といえよう。

才能を持った男が世間に潰される悲劇を描いた「金の脳みそを持った男」。小心な信仰心を持っていながら酒をやめられない「ゴーシェー神父の保命酒」。悲痛な恋物語「アルルの女」(いずれも『風車小屋だより』)。
そして『月曜物語』からは「ベルリン攻囲」「わるいアルジェリア兵」「プシヴァルの時計」「バヴァリヤ」など。ユーモアあふれ気の利いたタッチがお気に入りだ。

使われる言葉もいい。「七面鳥に魚の小骨が一本もないように」(「キュキュニャンの神父」)「二人を並べてみると、同じ型で鋳造した二個の美しいギリシャのメダルだとも言えましたろう」(「ベルリン攻囲」)などなど。

「法王のらば」という作品に「せみの図書館」というのが出てくる。「七年間足げをたくらんでいた法王のらばみたいなやつだぞ」という慣用句の意味を知るために、笛吹きに勧められて作者は「せみの図書館」に出かける。要するに林の暗喩で、その中で「一週間研究」し、素晴らしい物語を見つけ出すのだ。

中でも白眉中の白眉は「星」。山あいの羊飼いの街のお嬢さんへの憧れの物語は心を打つ。羊飼いはその後どういう生涯を送るにせよ。あの晩の事を決して忘れないであろう…。
今この本、岩波文庫では手に入らないらしい。全く惜しいことである…。

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8月

関東地方も梅雨明けとなる。昔の夏に聴いた曲を取り出して「梅雨明け祭り」を挙行。

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